治部煮は、古都金沢を代表する郷土料理だ。鴨の肉とギザギザの型が付いた独特の食感が心地良い「すだれ麩」、野菜などを甘辛く煮たもので上にわさびが盛られるのが特徴。
とろみのついた鴨のダシがすだれ麩や野菜との相性抜群で体の芯からあたたまる。ちなみにあんかけのようなとろみは片栗粉ではなく小麦粉でつけたもの。
治部煮の名の由来は諸説あり、煮た時の音が「じぶじぶ」ということから、豊臣秀吉の兵糧奉行だった「岡部治部右衛門」が朝鮮からレシピを伝えたことから、鴨肉を使うことからフランス料理の「ジビエ」がなまったから、といろいろあるが本当のところはわからないらしい。
はす蒸しは、加賀野菜の小坂れんこんをすりおろして固まりにしたものに、上品な薄味の透明なあんがかかったもの。れんこんの風味を損なわずふんわりやわらかに蒸し上げた、饅頭のようなモッチリとした食感が絶妙。
木倉町の奥にある「やきとり横丁」にあったお店。焼き鳥居酒屋ということと、マスターは男性だということ以外は詳細不明。現在は閉店しているのだが、金沢にはこんなシュールな看板が結構多い。