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     しがらみのない本音の観光ガイド

蕎麦 やまぎし(白山市移転)

本格派十割蕎麦がお手頃価格で

蕎麦 やまぎし1 金沢駅からは近いものの表通りに面しているわけでなく、決して良い場所とは言い難いところに蕎麦の名店『やまぎし』は店を構えている。
 
事前情報が無ければまず入ることはないような店構えではあるが、情報化社会の恩恵もあってブログや口コミサイトで評判が評判を呼び徐々にファンを増やしている。お昼のみの営業で30食限定の十割蕎麦は閉店の14時までには大概売り切れる。
 
5名ほどのL字カウンターと小上がり一つのみのこじんまりとしたお店をご夫婦2人で営まれており、蕎麦の仕込みはマスター1人でやられているので1日30食が限界らしい。
 
本格的な十割蕎麦を700円(大盛りは900円)で食べられるコストパフォーマンスの高さ。その値段設定をいい意味で裏切る蕎麦の味は近所にあったら間違いなく週一で通いたくなるようなお店。
 
兼六園近くの十割蕎麦の名店『徳川』の営業再開の見通しが立たないなか、美味しい十割蕎麦をリーズナブルな価格でいただける貴重なお店である。
 
メニューは蕎麦の殻を取り除いたぬき実の「白」、殻まで挽きこんだ「田舎」、その田舎に蕎麦の実を砕いて練り込んでいる「粗挽き入り田舎」の三種類。
 
そのうちの短く太く幅広の「粗挽き入り田舎」の食感は強烈で、強く噛むほどに蕎麦の香りがのどの奥にぶわっと広がる。『蕎麦はのど越し』の概念を覆す新鮮な食感に箸が止まらない。
 
その食べている姿をご主人がにっこりと眺めるまったりとした店内。こじんまりとした店内ゆえマスターと客の距離が非常に近いこともあるのだが、ご主人は本当に話好きな方で「どっから来なすった」ときさくに話しかけてくれる。そのゆるい空間は親戚の家でごちそうになっているような錯覚に陥る。 
 
「うちは冬でも冷たい蕎麦しか出さない。冷たいほうが蕎麦本来の味を楽しめるからね。冬でもビール飲むのと一緒だよ。」などと蕎麦の話を淡々としながらも熱く語るご主人。
 
地元の方との触れ合いは旅の醍醐味のひとつである。最近は時代の流れからか旅先での地元の方との触れ合いが減りつつある。金沢も例外ではない。
 
具体的な場所は挙げないが、昔は係りの方が丁寧に施設を説明してくれていたのが自動音声案内に替わったり、目の前で実演していたのがビデオの垂れ流しになったりするなど、効率はいいと思うがやはりどこか寂しい。
 
そのような世界観に慣れた方や「蕎麦はのど越しに限る」という方には不向きな店かもしれないが、それ以外の方には強くおすすめしたい。
 
いつまでもお元気で長く営業してほしいと思うとともに、どんなに繁盛店になってもその人情溢れる姿勢はずっと変わらず続けてほしいと切に願う。
 
(2016.02追記)
2015年12月末をもって此花町ライブ1での営業を終えた。元気のない故郷の白山市左礫町の活性化のためだそうだ。金沢駅から車で約1時間の場所だが、情熱あふれるご主人の蕎麦を食べに行く価値はあると思う。
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蕎麦 やまぎし
住所:石川県白山市左礫町ニ55
電話番号:080-8997-7714
原則予約。予約なしの場合は蕎麦打ちに30分要するとのこと(2016.03確認時)
営業時間:11時〜15時
定休日:水曜日 木曜日
 

金沢市内から約34Km
 
やまぎし 外観と内装
金沢営業時の外観と内装
 
やまぎし 蕎麦の素揚げとそばがき
左:蕎麦の素揚げ
ほんのり塩味でカリカリとしたおやつ感覚。
右:そばがき
外はカリッと中はもっちり。お餅かお饅頭のような食感。お持ち帰りも出来る。どろっとした蕎麦湯とともに。
 

 
ぬき実の白
ぬき実の白(普通盛り)700円:金沢当時の価格
 
ぬき実の白アップ
ぬき実の「白」は更科風ではあるが、十割蕎麦だけにつるつるとした感じではなく、蕎麦の香り・風味がしっかりと味わえる仕上がり。
 
粗挽き入り田舎大盛り
粗挽き入り田舎(大盛り)900円:金沢当時の価格
 

太くて短い粗挽き入り田舎。蕎麦の実を砕いて練り込んでいて弾力がとにかくすごい。ここに来たら食べておきたい「やまぎしのスペシャリテ」。
 
 

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蕎麦やまぎし 金沢観光推進委員会


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