またの名を「もみじの永観堂」と呼ばれるほどの紅葉の名所。見返り阿弥陀様は必見だ。
堂内はたくさんの建物が渡り廊下でつながっていて、さらにアップダウンに富んだ迷路のような回廊があったりしてかなりの距離を歩くことになる。ただ、周りの景色を眺めながら進むので苦痛にはならない。
歩き通した最後の方に、斜め後ろを向かれた見返り阿弥陀様にお会いできる。
昔、この寺の住職である永観律師が念仏を唱えつつ阿弥陀如来像の周りを回っていたところ、阿弥陀如来が須弥壇から下り、永観と一緒に行道(堂などの周囲を回る勤行)を始めた。
驚いた永観が歩みを止めると、阿弥陀如来は振り返って「永観、遅し」と、穏やかな微笑みで永観律師を励まされたそう。
現代で言うならば、遅れる者を待つ姿勢、思いやりを深くまわりを見つめる姿勢、そして自分自身を見返り、人々とともに正しく前へ進む姿勢を説かれているそうだ。
その造作の美しさと慈悲深い話にしばし見惚れたのち永観堂を後にするが、名残惜しさについ自分も見返りしてしまったのであった。
永観堂
京都市左京区永観堂町48
市バス5系統南禅寺永観堂道バス停から徒歩3分
地下鉄蹴上駅から徒歩15分
拝観時間 9:00〜16:00(受付終了)17:00閉門
ライトアップ (11月上旬〜12月上旬)
17:30〜21:00(受付終了)21:30閉門
拝観料 秋の寺宝展(11月上旬〜12月上旬)大人1,000円 小中高生600円
ライトアップ 中学生以上600円
通常時(秋の寺宝展以外) 大人600円 小中高生400円
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