天徳院 | 金沢観光推進委員会

珠姫を知り、金沢を知る

見事な枯山水庭園

抹茶席あり（有料）

天徳院は加賀百万石の前田家にゆかりの深い寺院である。前田家三代藩主・前田利常が、妻である珠姫のために建立した菩提寺として知られる。前田家と徳川家の血縁を結ぶ象徴的な存在であり、訪れる者を加賀百万石の栄華と珠姫の物語の世界へと誘う。

天徳院は、前田利常の妻であり徳川家康の孫である珠姫のために建立された。珠姫は数え年わずか3歳で前田家に嫁ぎ、徳川と加賀藩の和平の象徴となった。境内には珠姫に関する詳細な展示物があり、生涯や加賀藩の歴史が丁寧に解説されている。

また夫婦愛と藩を支えたその生き様を通じて、加賀藩と徳川家の関係を知ることができる。特に幼少期から加賀藩で暮らしたエピソードや、彼女の心情を表した資料は、歴史ファンには興味深いものがある。

天徳院は単なる観光地ではなく、前田家と徳川家の絆を示す場として、加賀藩文化の中核をなしている。加賀藩が徳川幕府との友好関係を保つための努力を、珠姫の人生を通じて学ぶことができる。また前田家の菩提寺として歴代藩主が祈りを捧げた場所でもあり、その歴史的意義は重い。

庭園は黙照禅庭という回遊式庭園であり、ゆるやかな時間が流れ、訪問者を癒しへと導く。一見簡素に見えて非常に計算されており、じっくり眺めることで深い感銘を受けるであろう。

本堂内部の襖絵や仏像も見逃せない。これらは加賀藩ゆかりの文化財であり、その繊細な装飾や技巧は、加賀百万石の美意識を伝えている。

定期的に法話や文化イベントが開催されている。珠姫に関する特別講座や、前田家にゆかりの品々の特別展示が行われることもある。

天徳院ではオリジナルの御朱印をいただける。デザインが美しく、訪問記念として人気が高い。

天徳院の「からくり人形劇」は、珠姫の生涯を題材にした伝統芸能と現代技術を融合させた演目である。この人形劇は珠姫が加賀藩に嫁いでから亡くなるまでの波乱に満ちた人生を再現しており、来訪者の胸に深く刻まれるとともに、歴史的背景を学ぶ貴重な機会となっている。

人形劇に登場するからくり人形は、職人によって一体一体丹念に作られている。珠姫や前田利常などの主要人物が、表情や衣装まで細部にわたって再現されていることが特徴である。舞台装置は可動式であり、背景や小道具が変化することで臨場感を高めている。

劇は珠姫が幼い頃に徳川家から加賀藩へ嫁ぐシーンから始まる。その後、藩を支えた珠姫の努力や前田家との絆を描きながら、最後は彼女の逝去と天徳院建立に至るまでの流れを追う。短い上演時間ながらも彼女の生涯を凝縮し、観客に伝える構成となっている。

劇中には心に響く音楽や効果音が取り入れられており、物語を引き立てる。歴史に詳しくない観光客でも物語に引き込まれる作品となっている。

この人形劇は単なる娯楽ではなく、珠姫を通じて加賀藩の歴史や、江戸時代の文化背景を学べる教育的な側面を持つ。特に徳川家と前田家の関係や、女性として藩を支えた珠姫の功績について、わかりやすく伝えている点が評価されている。

からくり人形劇は全世代に向けて作られており、大人だけでなく子どもにも楽しめる内容となっている。特に動く人形や華やかな演出は子どもに人気が高い。

天徳院のからくり人形劇は、珠姫の生涯を通じて加賀藩と徳川家の歴史的背景を学ぶと同時に、伝統芸能の美しさと現代的な表現技術を楽しむことができる貴重な体験である。天徳院を訪れる際には、この公演をぜひ見逃さないようにしたい。