金沢のスペシャリテを食べまくる
加賀百万石の文化や地元の新鮮な食材を活かした金沢名物グルメは、観光客だけでなく、地元民からも愛されている。ここではその中でも代表的なメニューをご紹介したい。
金沢名物料理その1 金沢おでん
金沢おでんは、昆布やかつおを中心に使用した関西風の薄味ダシ(出汁)に、車麩や赤巻き(かまぼこ)、バイ貝など金沢ならではの具材が並び、四季を問わず一年中楽しめるのが特徴である。そのお店の秘伝のダシに染み込み、口に入れた瞬間じゅわっとダシが溢れ出す車麩が特におすすめ。
金沢名物料理その2 蟹面
金沢おでんの中でも別格なのが蟹面である。香箱ガニというメスのズワイガニを使用し、甲羅の中に蟹の身や味噌(内子・外子)を詰めた、贅沢にも程があるおでん種。蟹の濃厚かつ複雑な旨味が楽しめる。ただ香箱蟹は資源保護のため漁期が短く、11月上旬から約2ヶ月しか味わえない点には注意しておきたい。
金沢名物料理その3 金沢カレー
金沢カレーは、金沢の中でも独自色の強い料理である。濃厚なルーはとろみが強く、甘辛い味わい。その上にロースカツが乗り、キャベツの千切りが付け合わせとして盛られる。銀色のステンレス皿で提供され、フォークまたは先割れスプーンで食す。
今や全国区となりつつある金沢カレーではあるが、「チャンピオンカレー(通称チャンカレ)」「ターバンカレー」で金沢カレーの源流を巡るのもいいのではないだろうか。
金沢名物料理その4 ハントンライス
金沢カレーと並び金沢B級グルメの代表として挙がるのがハントンライス。バターライスもしくはケチャップライスの上にオムレツがのり、その上からタルタルソースやケチャップがかかり、エビフライや白身魚のフライがトッピングされるというボリューミーな洋食である。
ぶっちゃけると豪華なオムライスといった感じで、想像通りの味になるかもしれないが、若い男女を中心に行列ができるほど人気がある。一番有名なのは片町にある「グリルオーツカ」だ。
ちなみにハントンライスの由来は、ハンガリーの「ハン」にハンガリー語でマグロを意味する「トン」が有力だが、他にも「半熟卵のハン」「フランス語の町(トン)」「豚カツのトン」など様々な説があって興味深い。
金沢名物料理その5 治部煮(じぶに)
治部煮は、古都金沢を代表する郷土料理だ。鴨の肉とギザギザの型が付いた独特の食感が心地良い「すだれ麩」、野菜などを甘辛く煮たもので上にわさびが盛られるのが特徴。
とろみのついた鴨のダシがすだれ麩や野菜との相性抜群で体の芯からあたたまる。ちなみにあんかけのようなとろみは片栗粉ではなく小麦粉でつけたもの。
治部煮の名の由来は諸説あり、煮た時の音が「じぶじぶ」ということから、豊臣秀吉の兵糧奉行だった「岡部治部右衛門」が朝鮮からレシピを伝えたことから、鴨肉を使うことからフランス料理の「ジビエ」がなまったから、といろいろあるが本当のところはわからないらしい。
金沢名物料理その6 ノドグロ
口の中(喉)が黒いことからその名のついたノドグロは、白身魚の王様と称されるほどの高級魚である。白身ながら上品な脂がのり、濃厚で甘みのある味わいで「白身のトロ」とも呼ばれる。ふっくらと柔らかく、煮付けや塩焼き、刺身など、どのように調理しても旨い。
金沢名物料理その7 はす蒸し
はす蒸しは、加賀野菜の小坂れんこんをすりおろして固まりにしたものに、上品な薄味の透明なあんがかかったもの。れんこんの風味を損なわずふんわりやわらかに蒸し上げた、饅頭のようなモッチリとした食感が絶妙。
番外編 気になる看板『女の味噌汁』
木倉町の奥にある「やきとり横丁」にあったお店。焼き鳥居酒屋ということと、マスターは男性だということ以外は詳細不明。現在は閉店しているのだが、金沢にはこんなシュールな看板が結構多い。