おじやだけで勝負できるお店
先付け。イカとセリの和え物。
本日のメインディッシュ。こちらを3回に分けていただく。
絶品のおじや。お米一粒一粒が輝いている。
夜の中ノ橋もいい。
主計町のほとりにある太郎は一見すると格式高いお茶屋の雰囲気を醸し出しているが実はとても入りやすいお店。入口で和服姿のスタッフにお出迎えを受けて個室に案内される。
廊下を歩いているとすぐに出し汁の良い匂いがただよい、いやがおうにも期待度が上がる。
こちらは親子・カップル・接待・宴会などいろんなグループ、シチュエーションにも対応できる。食事は鍋のみ。よってメニューは飲み物しかない。7・8月は鍋を休んで懐石料理を提供している。
ちなみにサービス料は15%になる。15%と聞いて、「おやっ」と思う方もいるかもしれないが、客は食べるだけで鍋は全て仲居さんが至れり尽くせりでやってくれるので納得できるはずだ。
お洒落なイタリアンやフレンチに行くと自動的に10%サービス料がついてしまうようなシステムとは一線を画する。
なんといっても太郎の特長は秘伝とも言われる出し汁にある。関西風の薄味で淡い黄金色に澄んだ旨味の効いた出し汁は他の店では味わえないと女将は言う。
具材は野菜については、年間を通してほぼ同じラインナップで白菜・春菊・椎茸・えのき・ぎんなん・竹の子・豆腐・しらたき。魚介は時期によって多少変わるが、今回は鱈・鯛・カワハギ・アンコウ・ふぐ・牡蠣だった。
鍋料理にありがちな全部いっぺんに具材を入れて最後のほうは煮過ぎてくたくたと残念な状態になることは太郎ではない。客はいっさい手を出せないため、先付けを食べながら出来上がりを待つ。
仲居さんが具材を3回に分けて絶妙のタイミングで提供してくれるので常にベストの状態で食すことができる。なるほど、これは家での鍋料理や他の鍋屋さんでも応用出来そう。
3回食した状態でも透き通った出し汁が、最後まで濁ることなく澄んだまま。イッツミラクル。雑穀の黒いキビ餅も美味しくいただき、クライマックスのおじや。
卵はない、というかいらない。おじやを作るスタッフは3年以上勤めている方しかやらせない太郎のこだわり。秘伝の出し汁にこれまでの具材の旨味が加わったおじやは美味しくないわけがない。
キビ餅の時点でかなりお腹いっぱいになっているのだが、おじやは別腹。最後にほんとの別腹デザートの梨のシャーベットを食し、大満足で退店。
帰りはライトアップされた中の橋の見送りを受けて帰路につく。
なべ・割烹 太郎
住所:石川県金沢市主計町2-7
電話番号:076-231-5152 要予約
営業時間:17:00~22:00 20:30L.O
定休日:不定休
HP:https://nabe-taro.com/
橋場町バス停から徒歩1分
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